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現実に疲れた時に読みたいSFファンタジー10選

現実に疲れたら

春からの新しい環境に、少しずつ慣れてきたころ。
気づかないうちに、心や頭が疲れてしまっていることもあります。

そんなときは、無理に何かを頑張ろうとせず、
少しだけ現実から離れてみるのもひとつの方法かもしれません。

物語の世界に身を預けて、
知らない場所を歩いたり、遠い時間を旅したり。
気づけば、重たかった気持ちが少し軽くなっていることもあります。

今回は、そんなときに手に取りたい
SF・ファンタジー作品を10冊、選んでみました。

エンタメ性とリアルな描写のバランスが魅力。初心者にも読みやすいハードSF

物語の面白さと、科学的なリアリティ。
そのバランスがちょうどよく、SFにあまり馴染みがない人でも読みやすい作品を集めました。

プロジェクト・ヘイル・メアリー

未知の物質によって太陽に異変が起こり、地球は氷河期へ向かいつつある。
人類滅亡まで残された時間は30年。記憶を失ったまま宇宙で目覚めた科学教師が、少しずつ状況を思い出しながら、人類を救うためのミッションに挑んでいくSFエンターテインメント。


読みやすさと科学的な奥行きのバランスがよく、SFに慣れていない人でも入りやすい一冊。
記憶が戻るたびに世界の輪郭が見えてくる構成も面白く、謎解きのように先へ先へと読み進めたくなります。
科学要素はしっかりあるけれど、専門知識がなくても物語の勢いに乗って楽しめる。
現実を離れて、宇宙規模の冒険に没入したいときにおすすめです。

読書難易度:★★★☆☆
読みやすさと科学的な奥行きのバランスがよく、SFに慣れていない人でも入りやすい一冊。

プロジェクト・ヘイル・メアリー(上)

タイトル:プロジェクト・ヘイル・メアリー上

著者:アンディ・ウィアー(著)・小野田 和子(訳)

出版社:早川書房 

ISBN:978-4-15-012506-6

プロジェクト・ヘイル・メアリー(下)

タイトル:プロジェクト・ヘイル・メアリー下

著者:アンディ・ウィアー(著)・小野田 和子(訳)

出版社:早川書房

ISBN:978-4-15-012507-3


火星の人

火星探査ミッション中、事故によってひとり火星に取り残された宇宙飛行士マーク・ワトニー。
限られた物資と知識を頼りに、水を作り、食料を育て、地球との通信手段を探しながら、生き延びる道を切り開いていくサバイバルSFです。


絶望的な状況なのに、主人公の明るさとユーモアのおかげで、不思議と重くなりすぎない一冊。
語り口が軽くテンポも良いので読み進めやすい作品です。
科学的な計算や工夫はしっかり出てくるけれど、「どうやって次を乗り越えるのか」が面白くて、つい先を読みたくなります。
火星でじゃがいもを育てる男の前向きさに、少し元気をもらえる作品です。

読書難易度:★★★☆☆
科学要素は多めですが、語り口が軽くテンポも良いので読み進めやすい作品です。

火星の人〔新版〕上

タイトル:火星の人〔新版〕上

著者:アンディ・ウィアー(著)・小野田 和子(訳)

出版社:早川書房

ISBN:978-4-15-012043-6

火星の人〔新版〕下

タイトル:火星の人〔新版〕下 

著者:アンディ・ウィアー(著)・小野田 和子(訳) 

出版社:早川書房 

ISBN:978-4-15-012044-3 

時砂の王

人類を滅ぼすため、時間線を遡って攻撃してくる謎の存在。
絶望的な戦いの果てに、ひとりの戦士は最終防衛ラインである3世紀の倭国へたどり着く。
遠未来のSFと邪馬台国の世界が交差し、卑弥呼とともに人類の存亡をかけた戦いへ向かっていく時間SFです。

時間SFのスケール感と、日本的な歴史の空気がうまく重なった一冊。
文体は比較的ライトで読みやすいけれど、中身はしっかり濃く、テンポよく物語に引き込まれます。
設定は壮大ですが、テンポがよく文章も読みやすめ。SF初心者にも比較的すすめやすい作品です。

読書難易度:★★★☆☆
設定は壮大ですが、テンポがよく文章も読みやすめ。SF初心者にも比較的すすめやすい作品です。

時砂の王

タイトル:時砂の王

著者:小川 一水

出版社:早川書房

ISBN:978-4-15-030904-6

読書時間は、旅のように。短い時間で世界に浸る物語

まとまった時間が取れない日や、長い物語に手が伸びない夜もある。

そんなときでも、短い時間で別の世界に連れていってくれる物語があります。
ページ数や形式に縛られず、気軽に“旅”のような時間を味わえる作品を集めました。

夏への扉

冬になるたび、飼い猫のピートは家のどこかにあるはずの「夏への扉」を探しはじめる。
裏切りによって仕事も発明も奪われた技術者の主人公もまた、自分にとっての“夏への扉”を探していた。冷凍睡眠によって30年後の未来へ送られた彼は、失ったものを取り戻すために動き出します。

古典SFらしい明るさとロマンがある一冊。前半は少しじれったさもありますが、未来へ進んでから物語が動き出すと、一気に面白くなります。猫のピートの存在も魅力的で、タイムトラベルものとしてだけでなく、“もう一度やり直す物語”としても心に残ります。

読書難易度:★★☆☆☆
語り口は軽く、登場人物も覚えやすめ。SF初心者や猫好きにもすすめやすい作品です。

夏への扉

タイトル:夏への扉〔新版〕

著者:ロバート・A・ハインライン(著)・福島 正実(訳)

出版社:早川書房

ISBN:978-4-15-012309-3

星旅少年-Planetarium ghost travel-

人々が「覚めない眠り」につきはじめた宇宙で、眠ってしまった星々の文化を記録・保存する星旅人の303。
彼は「まどろみの星」を訪ねながら、残された人やもの、記憶と出会い、静かな旅を続けていきます。

青い夜の中を歩いているような、静かで美しいSFファンタジーコミック。
もの悲しさはあるけれど、どこかやさしく、出会いと別れの余韻が長く残ります。
文字を追う気力が少ない夜でも、絵に導かれるように読める一冊です。

読書難易度:★☆☆☆☆
コミックなので読みやすく、寝る前にも手に取りやすい作品です。

星旅少年1 -Planetarium ghost travel-

タイトル:星旅少年1 -Planetarium ghost travel-

著者:坂月さかな

出版社:パイ インターナショナル

ISBN:978-4-7562-5649-2

ボッコちゃん

星新一が自ら選んだ、ショートショート50編を収めた短編集。
表題作「ボッコちゃん」では、バーで人気の美人店員に隠された秘密が、短い物語の中で鮮やかに描かれます。ユーモア、皮肉、不思議な発想がぎゅっと詰まった、星新一入門にもぴったりの一冊です。

一話が短いので、疲れている日でも少しずつ読めるのがいい。
軽く読めるのに、最後の一行でふっと世界が反転するような面白さがあります。
現実から離れたいけれど、長い物語を読む気力がない夜に。
小さな扉をいくつも開けるように楽しめる短編集です。

読書難易度:★☆☆☆☆
短編中心で読みやすく、SF初心者にもすすめやすい一冊です。

ボッコちゃん

タイトル:ボッコちゃん

著者:星 新一

出版社:新潮社

ISBN:978-4-15-030904-6

人間や世界を見つめ直す、思考型SF

物語に没入するだけでなく、少し立ち止まって考えたくなる作品もある。

人間とは何か、世界はどう成り立っているのか。
そんな問いを、静かに投げかけてくるSFを集めました。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか

放射能灰に汚染された未来の地球。
本物の動物を持つことが地位の象徴となった世界で、電気羊しか持たない賞金稼ぎのリックは、火星から逃亡したアンドロイドを追うことになる。
人間とアンドロイドを分けるものは何か。任務の先で、その境界は少しずつ揺らいでいきます。


独特の世界観と、乾いた空気が印象に残る古典SF。
読みやすい作品ではあるけれど、描かれているテーマはかなり深く、人間らしさや共感、命の価値について考えさせられます。
AIやアンドロイドが身近になりつつある今だからこそ、あらためて読みなおしたい一冊です。

読書難易度:★★★☆☆
文量は読みやすめ。ただし世界観や哲学的テーマを味わうには、少しゆっくり読むのがおすすめです。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

タイトル:アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

著者:フィリップ・K・ディック (著)・浅倉 久志(訳)

出版社:早川書房

ISBN:ISBN:978-4-15-010229-6

鋼鉄都市

人口過剰の巨大都市を舞台に、刑事ベイリが宇宙人殺害事件の捜査に挑むSFミステリー。
人間とロボット、地球人と宇宙人の対立が渦巻く中で、ロボット工学三原則の盲点にも迫っていきます。

SFの設定を使いながら、しっかりミステリーとして読ませてくれる一冊。世界観は濃いけれど、事件を追う流れがあるので入りやすく、ロボットとの相棒関係も魅力です。古典なのに今読んでも新鮮で、人間とロボットの距離感を考えたくなります。

読書難易度:★★★☆☆
SF濃度はほどよく、ミステリーとしても読みやすい作品です。

鋼鉄都市

タイトル:鋼鉄都市

著者:アイザック・アシモフ(著)・福島 正実 (訳)

出版社:早川書房

ISBN:978-4-15-010336-1

星を継ぐもの

月面で発見された、真紅の宇宙服をまとった死体。
調査の結果、その人物は死後5万年を経ていることがわかる。
彼はいったい何者なのか。現生人類とどんな関係があるのか。
科学者たちが仮説と検証を重ねながら、人類の起源と太陽系の歴史に迫っていくSFミステリーです。


派手な冒険よりも、謎をひとつずつ解いていく過程を楽しむ一冊。
専門的な説明は多めだけれど、その積み重ねが物語にリアリティを与えています。
仮説が崩れ、新しい謎が現れ、最後に大きな真相へたどり着く流れは見事。科学ミステリーが好きな人にすすめたい、静かな興奮のあるSFです。

読書難易度:★★★★☆
専門用語や議論が多めなので少し集中力は必要。ただ、謎解きの面白さで読み進められる作品です。

星を継ぐもの〔新版〕

タイトル:星を継ぐもの〔新版〕

著者:ジェイムズ・P・ホーガン(著)・池 央耿(訳)

出版社:東京創元社

ISBN:978-4-488-66331-5

余裕があるときに挑戦したい、クセの強い物語

読みやすさよりも、強い世界観や独特の文体に身を預けたいときに。
日常で考えすぎて頭がぐるぐるするとき、僕はあえて別の物語に頭の回路をつなぎ替えることがあります。
そんな強制リフレッシュのような読書も、時には必要なのかもしれません。

少し人を選ぶけれど、刺さる人には深く残る作品を集めました。

ニューロマンサー

能力を失ったコンピュータ・カウボーイのケイス。
ハイテクと退廃が入り混じる千葉シティで空虚な日々を送っていた彼に、失った能力の再生を条件とした危険な仕事が持ち込まれる。そこからケイスは、電脳空間と裏社会が交差する暗い未来へ引き込まれていきます。

正直、読みやすい作品ではありません。文体も世界観もかなり独特で、最初は置いていかれる感覚があるかもしれない。けれど、その混沌ごと飲み込まれるような魅力があります。
『攻殻機動隊』や『マトリックス』の源流に触れたい人には、一度は手に取ってほしいサイバーパンクの古典です。

読書難易度:★★★★★
表現や場面転換にクセがあり、かなり人を選びます。ハマる人には深く刺さる一冊。

ニューロマンサー〔新版〕

タイトル:ニューロマンサー〔新版〕

著者:ウィリアム・ギブスン(著)・黒丸 尚(訳)

出版社:早川書房

ISBN:978-4-15-012489-2

ここはすべての夜明けまえ

老いない身体を手に入れ、九州の山奥でひとり暮らす「わたし」が、自分の人生と家族について書き残していく物語。
SF的な設定を持ちながら、描かれているのは家族、記憶、痛み、そしてそれでも生きていくこと。ひらがな中心の独特な文体で、ひとりの人生が静かに語られていきます。


明るい話ではないけれど、読み終えたあとに小さな光が残る一冊。
読みにくさはあるものの、その文体だからこそ主人公の孤独や痛みが伝わってくる気がします。
現実から逃げるというより、現実の痛みにそっと向き合いたいときに読みたい作品です。

読書難易度:★★★★☆
文体にかなり癖があり、内容も重め。じっくり読むタイプの作品です。

ここはすべての夜明けまえ
 

タイトル:ここはすべての夜明けまえ

著者:間宮 改衣

出版社:早川書房

ISBN:978-4-15-210314-7

おわりに

リラックス

現実に少し疲れてしまったとき、
物語は、遠くへ行くための小さな扉になることがあります。

宇宙へ行く話も、未来都市を歩く話も、
見知らぬ星を旅する話も、
読み終えたあとには、少しだけ今いる場所の見え方を変えてくれる。

難しく考えず、今の自分に合いそうな一冊から。
本を開く時間が、あたまや心を癒す休息になりますように。