夜、よく眠るためのちいさな習慣

夜の窓、本棚と暮らし

眠れない夜って、ありますよね。
身体はくたくたなのに、頭だけ妙に冴えてしまったり。
心配ごとや、ふとした不安が、枕元にぽつりと現れることもあります。

そんな夜は、ただ電気を消して布団に入っても、なかなか眠れません。
心と体をやさしくほどいて、「眠る準備」をすることが、意外と大切だったりします。


照明を落として

ベッドサイドとテーブルランプ

眠れない夜は、部屋の明かりをいつもより少しだけ落としてみます。
まぶしさが和らぐと、不思議と心まで静まっていく気がするから。

間接照明やスタンドライトの明かりに切り替えて、
タブレットでは焚き火の映像をそっと流してみたり。
ゆらぐ光と小さな音が、眠りの合図になってくれることもあります。

私は真っ暗にして眠るのが好きなので、タイマーでライトを消すようにしたり、
うとうとしてきたタイミングで「もう寝る!」と決めて、明かりをぱちりと消してしまいます。
すると、そのまま自然と眠りに落ちていることが多いんです。


スマホを遠ざける

ブルーライトが眠りを妨げるのは、よく知られていること。
光だけでなく、情報の波にさらされることで、頭が冴えてしまうんですよね。

だから私は、眠る30分前にはスマホを手の届かない場所に置いています。
本を読んだり、静かな音楽を流したりして、少しずつ心を落ち着けて。
スマホから離れるだけで、頭のざわめきがすっと引いていくのを感じます。


あたたかい飲みものと、香り

アロマキャンドルと静かな夜

お気に入りのマグカップに、ハーブティーや白湯をゆっくりと注ぐ。
カフェインレスのやさしい飲みものは、冷えたお腹を内側からあたためてくれて、気持ちまでやわらかくほどけていくようです。

お腹がすいているときは、ホットミルクに蜂蜜をひとさじ。
蜂蜜には、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を助ける働きもあるそうですよ。

香りのちからを借りるのも、おすすめのひとつ。
枕元にアロマミストやピロースプレーをそっとひと吹き。
ラベンダーやベルガモットなど、やさしく心に届く香りを選ぶと、自然と呼吸もゆったりと整ってきます。


からだをほぐしてあたためて

眠る前に、ちょっとだけ自分のからだと向き合う時間をつくるようにしています。
お風呂あがりや布団に入る前に、簡単なストレッチで首や肩、足先を軽く動かしたり、
保湿クリームやマッサージオイルで、手や足をやさしくなでるようにマッサージしてみる。
それだけで、からだがじんわりと温まり、肌まで「ありがとう」と言ってくれている気がします。

冷えが気になるときは、レッグウォーマーや湯たんぽ、小豆のアイピローなどを使うのもおすすめ。
とくに足首やお腹まわりを温めると、安心感が増して眠りに入りやすくなるように思います。

特別な道具や難しい知識は必要なくて、
ほんの少し、からだをいたわる気持ちがあれば、それだけで十分。
眠りは、そうやって「今日もおつかれさま」の気持ちから、やってくるのかもしれません。

頭を空っぽにする音に包まれる

夜がふけてきたら、眠るための音をそっと流します。
お気に入りは、焚き火のぱちぱちという音や、遠くで降り続く雨の音。
ホワイトノイズや、静かなピアノ曲、自然音のBGMを流していると、
考えごとがほどけていって、心が少しずつ静まっていくのがわかります。

耳で感じる「静けさ」って、不思議と頭の中にも影響するみたいで、
ただその音に身をまかせているうちに、気づけばまどろんでしまうことも。

逆に音を聞く気分じゃない夜は、耳栓を使って“音のない世界”へ。
無音に近い空間で、思考をそっと手放すと、
ふとした瞬間に眠りが訪れてくれる気がします。

その日の自分に合った“静けさ”を選ぶことも、心を整えるやさしい習慣のひとつです。


あとがき:眠れない夜の、そばに

眠れない夜は、誰にでもありますよね。
そんなときに、「こんなふうに過ごしてみようかな」と思えるような、
ちいさなヒントになれたらうれしいです。

眠りって、魔法みたいにすぐには訪れないけれど、
部屋の明かりや、飲みものや、好きな香りや音で、
ゆっくり自分をととのえていくことはできます。

やさしく、やさしく、夜に寄り添うように。
そんな風に眠れた朝は、きっと少し軽やかです。

ロカも、よくそんなふうに夜を迎えています。
おやすみなさい、いい夢を──。